富士山
富士山が見たくなったババ。ジジと暮らしていた家の屋上からは
冬の風の強いよく晴れた朝、富士山を見ることができた。南体山、
筑波山も見える。三山そろいぶみなんてババは喜び、ジジを呆れさせた。
そうだ、水木橋まで行けば富士山はみられるかもと、ババは循環バスに
乗って出かける。ババの思惑どおり、橋の上では雪をまとった富士山が、
くっきり見える。通りがかりの人たちに「ほら、富士山が見えますよ」と
教えたくなるが皆な慣れっこになっているのか、ずんずん通り過ぎてゆく。
富士山に感激しているのはババだけかも。すっかり冷え切ったババは
自販機のホットコーヒーでひと息。
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