068:煌(原田 町)
煌きはスカイツリーの灯りかと眼を凝らしたり二十キロ彼方
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煌きはスカイツリーの灯りかと眼を凝らしたり二十キロ彼方
眠られぬ夜に指折り数えてる一都二府四十三県名を
ひさびさに富士山を見る梅雨晴れの朝は微糖の缶コーヒー飲む
不器用なきみにダンスの手ほどきをクイック・クイック・スローまた足踏まれ
区画整理すすまぬ街の道幅は余裕の無くて渋滞しばし
梅雨寒の夕餉は八丁味噌仕立て豆腐と茄子の田楽などを
人類の生存すらもおぼつかない十万年後の放射能ゴミ
紛争は宗派の違いの解説も他人事として寺巡りする
孔雀石はじめて見しは理科室の抽出しのなか青にドキドキ
増税か値上げだったか判然とせぬまま今日もスーパーへ行く
生徒名の横に士族と記されし卒業証書もひとつの時代
解析でつまずき微分積分はまるでお手上げ子らにも遺伝
拉致問題解決されて水色のリボン見ぬ日の来ること願う
令夫人と書かれし席に座らされワイングラスをおずおず挙げる
すべすべの踵にせんと軽石で擦りておりぬ九条もまた
横町の豆腐屋ついに廃業しスーパーに買う充填豆腐
エキサイトシートあるゆえ邪飛球を捕りそこねると思うしばしば
樺太の北緯五十度かつてここに国境ありしをテレビで知りぬ
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