091:冬(原田 町)
冬瓜のあんかけ今日も作ってる歯の根しだいに緩んでくれば
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冬瓜のあんかけ今日も作ってる歯の根しだいに緩んでくれば
まだ青く酸ゆき林檎いただけり長野の里より秋の知らせぞ
聴力をテストされおり耳奥にみんみん蝉の鳴きやまざれば
編み物や縫い物などをとんとせぬ怠惰な夏を今年もおくる
ポスターの候補者みな微笑めど暮らし不安の気分は晴れぬ
かんかんの夏日の中をわれらまた配給切符に群がる悪夢
クリスマスに何に贈ろうかジジババは思案している蝉時雨かな
葛和田とう利根の河岸あり亡き父の故郷へ小舟で渡りし記憶
憂鬱とか快濶とかはさておいてジャグジーバスにひと日をほぐす
電源を入れっぱなしの器具ふえて真っ暗闇になれぬわが部屋
隣人はいつも早起きわが雨戸あける頃には五キロ歩くと
発言の機会なきまま会議すみ午後の日差しの街中に出る
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