079:恥(原田 町)
羞恥心なしと若きをそしりつつ夏物バーゲン漁るわれかも
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羞恥心なしと若きをそしりつつ夏物バーゲン漁るわれかも
アンコールにこたえ青春もういちど真夏の夜の夢を見ていた
野菜屑紙屑木屑燃えるゴミわたしもいつかその仲間入り
三十年住みて余所ものこの在の祭囃子が風に聴こゆる
店員に「おまけします」と言い寄られ買ってしまったブラウス悔やむ
肩凝りをこぼせば腰痛うったえてトクホン貼りあう偕老同穴
大量にマスク買いだめいつか来るパンデミックの気休めとする
なんとなく体に効くかと糠床に「瀬戸のあらじお」たっぷり混ぜる
水痩せし夏川わたる片恋の笠郎女しばし想いて
竹針のレコードを聴く蓮華亭CD無き世をひととき廻る
オルツィの『隅の老人』ひさびさに手に取り読めば活字小さき
頭なく腸(はらわた)も無き冷凍の秋刀魚焼いてる水無月祓い
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