043:宝くじ
宝くじ買えば旅の夢見れる世界一周それから宇宙
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宝くじ買えば旅の夢見れる世界一周それから宇宙
鱗模様のネクタイ締めてきみは行くアンチエイジングの夢かなうのか
水中に落ちしカナブン掬い上ぐわたしも虫も今は存在
多血質と粘液質が連れ添いて公孫樹の若葉いくたび仰ぐ
かつてわが王子のひとりメタボなる腹ゆすりつつマイクを握る
有馬家の猫伝説を語りつぐ人ら絶えしや三田坂町に
色黒は親譲りゆえあきらめよUVカットの化粧をしても
烏山へ行くはずなのに乗り違え千歳船橋に着いてしまった
過去よりも未来を見据えゆかねばと楠の若葉のきらめき仰ぐ
岡っ引き平次記念碑その傍に小さき石の八五郎おり
死の際の祖母食べたしと言うすいか真冬の街に母は探せり
チャールトン・ヘストン死せり日本の少年撃たれしはバトンルージュか
かの夏の忍びがたかることどもを知らない人ら増えゆく平和
大釜より湯気たちのぼり故郷の飯のうまきを夫ふりかえる
杖突きとう峠を越えて高遠の桜に逢わなバスひた走れ
幼な子を供犠せんとするアブラハム神絶対にわれは途惑う
赤チンとチチンプイプイお呪い怪我の消毒それで済んでた
基礎工事の不備をいまさら言われてもわが家も私も歪みつづける
花冷えの夜桜帰り熱々のあられ蕎麦など注文しよう
カワセミの巣作りならんか対岸の小さき穴に見えつ隠れつ
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