最後の授業
とうとう最後の授業になってしまったようです。
ご高齢で眼も悪くされた、と聞かされてはこれ以上
お願いすることはできません。
公民館での講演がきっかけで始まった会も今年で26年目。
「皆さんは勝手に休めますが、私はそうはいきません」
とおっしゃられたこともあり、不真面目な私は恐縮しきりです。
「古今集」「奥の細道」「雨月物語」「枕草子」「紫式部日記」など
読み進み、ついに「源氏物語」へ入ったとき、先生は70代。
「最後までは無理でしょうが、せめて若菜の巻まで」と言われましたが。
その若菜の巻上下も読み終わり、先生は一番好きという「鈴虫」を一年
かけて繰り返し繰り返し、語られました。
「また、同じことを」とつい思ってしまったのが、いま悔やまれます。
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