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059:ひらがな(原田 町)

岩槻も与野もひらがな「さいたま市」歴史風土も朧となりて

058:鐘(原田 町)

ああなべて過ぎしことども有楽座「鐘の鳴る丘」舞台を観しも

057:空気(原田 町)

柝が鳴って緞帳あがり日常と異なる空気ただよひ来たり

056:タオル(原田 町)

タオル地の熊のプーさん抱きしめて眠りし吾子もはや無精髭

055:労(原田 町)

ささやかな贅沢ならむジャグジーのバスにて癒す今日の疲労を

054:電車(原田 町)

ミカン色の湘南電車遠足と海水浴の思い出のせて

053:爪(原田 町)

手をのばし爪先たちてガラス拭く以前は楽々届きし窓の

052:あこがれ(原田 町)

あこがれの青カーネーション贈られてもうしばらくは母親ですか

051:宙(原田 町)

わが庭に小さき宇宙造らむとコスモスの種蒔きをり暮春

050:仮面(原田 町)

昨日また阪神負けてわがきみの仮面高血圧いよよ心配

イワタロコ 『夢幻』より

 米岡元子さんの短説集『夢幻』を読んでから、イワタロコ、という青年とその家族に魅せられています。イワタロコの名前の由来を教えてくれる祖母。煙草をなかなか止められない父親。傾聴ボランティアを始めた母親。「カフェ・魔女」のママドルの叔母さん。それに風来坊の叔父さんまで登場して賑やかです。
 一篇、一篇は千六百字、原稿用紙二枚足らずの作品集ですが、作者の筆力はそれぞれの個性を鮮やかに書き分けています。中でも圧巻は「丼の縁」でしょうか。鰻がなにより苦手のイワタロコが、会社の存続を賭けたCM撮影に駆り出されます。巨大な鰻丼の縁を歩かされる、という手に汗にぎる展開。字数に制限のある「短説」の形式を見事に生かした傑作です。余計なことですが、私自身、鰻大好き人間なので、この作品はより美味しいのです。
 『夢幻』には「イワタロコシリーズ」64篇の他に、「ステタイルーム」42篇「すみれ」38篇と粒よりの作品が収められています。五十嵐正人さんが解説で(米岡元子さんは、これまで短説作家の誰も立つことの無かった領域に、ただ一人立つ短説作家である)と書かれています。

049:約(原田 町)

婚約をほのかに告げて子は帰る大型連休雨の夕暮れ

048:毛糸(原田 町)

編み棒も毛糸も長く手にしないパソコンなぞを弄りてをれば

047:没(原田 町)

数独なるパズルゲームへ没頭す青葉若葉に肩を凝らせて

046:階段(原田 町)

幼な児を小脇に抱へ階段を跳ぶごと降りる若さ羨む

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