名探偵
シンちゃんこと渋柿信介、私の知ってる限りでは、最年少の名探偵。なにしろ胸に名札の付いたスモックを着ている幼稚園児なのだ。二階堂黎人の『私が捜した少年』で初登場。以来、最近作の『ドアの向こう側』まで、ハードボイルドな名探偵ぶりを発揮している。二階堂黎人作の名探偵といえば、非の打ち所なき美貌と神のごとき叡智の二階堂蘭子が有名だが、作品がちょっと長過ぎる。特に『人狼城』シリーズなどは。歳とともにいささか胃にもたれる。このシンちゃん物は短編集で、後味が爽やか。現職刑事のパパと元アイドル歌手でスピード狂のママとのやり取りも絶妙。
ところで、近くの幼稚園のお帰りタイム。水色スモックの園児たちがつぎつぎ出てくる。この中にシンちゃんのような名探偵が? と、思わず捜してしまう。
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