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069:カフェ




カフェオレとクロワッサンが好きだったきみの笑顔はいま祭壇に

(一ヶ月すぎた今も信じられない気持ちでいっぱいです)

068:報




また惨き報道ありて子供らは籠りておるかこの新緑に

(忘れた頃でなく、つぎつぎひどい事件が起きます。ニュースを見たくないことがあります)

067:事務




伝票と帳簿ならべて事務をとる若き日のあり神保町に

(自営業のわが家は会計ソフトを使っています。決算書があっというまに出来上がりますが、何か自分の数字でない気がしてなりません)

066:ふたり




一匹とふたりが並び夕陽みる太郎の時間とわれらの時間

(何年か前に「石と水とわれらの時間それぞれに昇仙峡の秋はたけなわ」という歌を結社誌に発表したことがあります)

065:鳴




チョットコイ小綬鶏もう鳴かぬらし森も畑もみな無くなりて

(そう言えば、ウグイスの声もあまり聞かなかったようです。カッコウもホトトギスも、もう聞けないでしょう)

064:百合




去年九月小池百合子を連呼した熱狂いずこ卯の花腐し

(走り梅雨とか卯の花腐しというのでしょうか、毎日はっきりしないお天気です。総裁の後継がどうとか、こうとか今時分の空模様のようです)

063:オペラ




「暗殺のオペラ」を観しは何時のことアリダ・ヴァリの訃報ききおり

(多分、10年ほど前の日比谷の映画館でした。アリダ・ヴァリは「第三の男」とは異なる、堂々とした女性を演じていました)

代役




「あら、もうこんな時間? ご主人、帰りが
早いんじゃないの」
 芳子は何杯かお代わりしたコーヒーカップ
を置きながら、聞いた。彼女とわたしは、映
画を見たあと、遅い昼食をとっていた。
「わたしは独り暮らしだから、構わないけど」
「いいのよ。今日は代役がいるから」
「娘さん、来てるの?」
「うちの主人って帰ってきても、わたしの顔、
ろくすっぽ見ないのよ」
「うちもそうだったわ。髪型が変わったって、
気がつかなかったし」
「ご飯食べてるときだって、テレビから目を
離さないし、九時には寝ちゃうのよ」
「贅沢な不満ねえ」
 芳子は笑う。
「それでね、妻の代役というサービス、申し
込んだのよ。わたしに似たひとが来てくれる
んだって」
「ばれるに決まってるじゃない」
「食事の支度さえしてもらえれば、文句無し
のひとよ」
「そうねえ、でも」 
 芳子はくちごもりながら言う。
「ご主人も、もしかしたら、頼んでるかも」
「へんなこと言わないでよ」 
 声が高くなった。
「あなただって、ご主人の顔、あまり見てな
いでしょ。彼だってたまには息抜きしたいと思うわ」
「まさか、そんな」
「じゃあ、早く帰って確かめたら。わたし、
これから約束したところへ行くの」
 芳子は伝票を手に、レジに向った。クリー
ム色のスカートから、ほっそりとした脚が伸
びている。

062:竹




竹薮のばっさり伐られ整地されフットサルの灯り煌々

(掘りたての筍を何回か頂いた竹薮です。相続税のためでしょうか。身の回りの自然がどんどん失われてゆきます)

061:注射




注射針使いまわしをされていた後の祭りのその危険性

(インフルエンザの予防接種をせずに一冬過ごしてしまいました。参加している二つのグループのうち、体操系は私以外の全員が接種済み。もう一つの文芸系は予防注射などしたことが無い人がほとんどでした)

060:韓




唐辛子にんにく苦手韓流のドラマ見る気も何故か起きない

(茨木のり子訳編の「韓国現代詩選」をしばらくぶりに読み返しています)

059:くちびる




酷薄という言葉のありき彼の人の薄く冷たきくちびる想う

(ローレンス・オリヴィエの唇を酷薄そのものと評した人がいました)

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