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お題べつ好きな歌

086:占
(謎野髭男)
わが心あまりに狭く占むるものあまりに多く溢れかえれる
( 柳子)
0歳児家族の団欒ひとり占め四世代住む家の明るし
(矢野佳津)
アドレスはizumishikibuを登録し歌占人とならむか蛍よ
(櫂未知子)
どこかしら占領軍の味のせりぶつ切りの肉浮かべる汁は
(皆瀬仁太)
占有率3%未満にて夫といふは寂しき他人
087:計画
(今泉洋子)
出会ひしは都市計画課明暗の時を静かに重ねつつ来て
(望月暢孝)
十字架に似た電柱の根をめがけ計画的に来るユダは犬の名
( 高崎れい子)
革表紙の手帳の夏の計画の白いページに蜻蛉がとまる
(大辻隆弘)
計画をしたといふのにうらぶれて菊坂なんど下りき、といふ
(春村蓬 )
原つぱに犬はすずしくあらそひぬ都市計画の網かむる草と
088:食
(斉藤真伸)
食堂に酢が匂いたつ昼下がり母は頭痛に耐えているらし
(遥悠(天晴娘々))
浸食の速さをとほい星に見る 笑へなくても気にしないんだ
(常盤義昌)
愛国の愛は何なる 昼食に一尾の鮎を皿に裂きつつ
(林 ゆみ)
デニッシュが並ぶパン屋の隅っこの甘食ふたつ連れて帰ろう
(小池尹子)
母の書く文字近ごろ膨らみてご祝儀袋を食み出さむばかり
089:巻 
( やそおとめ)
この世ならぬこゑは四巻「夕顔」の「をちかたびと」と呼ぶあたりから
(丹羽まゆみ)
連綿と続く矛盾を包むがに春キャベツ巻く雨の土曜日
(黒河更沙)
ぜんまいを巻くことなかれ 休むことを知らずに動いた古時計なら
( mamaGON)
久々に一人ひょこんと訪い来たる息子は海苔巻きのようになつかし
(五十嵐きよみ)
誰もみなきっといずれは消えてゆくビデオが巻き戻される速度で
090:薔薇 
(さよこ )
誕生日の薔薇の花束軒先に逆さになりて風に乾けり
(足立尚彦)
棘持たぬ薔薇が薔薇として売られ何かが決まっていそうな気配
(篠田 美也 )
瞳(め)には星、背後に薔薇を背負つてゐる少女漫画を捨てられぬ訳
(恩田和信)
少女たること許されぬ時代あり薄口紅も薔薇の刺繍も
(青井なつき)
あの父が真紅の薔薇を買ったから母は真紅の薔薇なのだろう

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