お題べつ好きな歌(047:大和)
(春畑 茜)
ゆく春のとりとめのなきさびしさに佐美雄の『大和』机上にひらく
(こはく)
うわずった横隔膜を押さえつけ大和を探しているのおそらく
(斉藤そよ)
よっこらしょどっこいしょってお月さま 大和なでしこ的な緩慢
(青野ことり)
不注意をみられたやうな気まずさに痒みこらえて擂る大和芋
(萱野芙蓉)
女わらはの雀を追うて去にしのち桜ばかりが残る大和絵
(今岡悦子)
チャンバラのあげくに「大和魂」と勝ちほこりたり接尾語のごと
(三宅やよい)
軍服の重き袖垂れ重油垂れ守るも攻めるも大和は沈む
(五十嵐きよみ)
大和煮の空き缶ひとつ捨てられて雨水をためている草むらに
(牧野芝草)
初役の按摩宅悦大和屋は恐がりと知る八月の闇
(細江 藻花)
線路わき野草のなかに花が咲き私も還る大和の土に
« お題べつ好きな歌(046:泥) | トップページ | お題べつ好きな歌(048:袖) »
「題詠マラソン好きな歌」カテゴリの記事
- お題べつ好きな歌(100:マラソン)(2005.11.28)
- お題べつ好きな歌(2005.11.27)
- お題べつ好きな歌(2005.11.25)
- お題べつ好きな歌(2005.11.21)
- お題べつ好きな歌(2005.11.20)
コメント