お題べつ好きな歌(037:汗)
(谷口純子)
ジンギス汗クビライ汗の宮廷に長毛の猫そよぎていしか
(丹羽まゆみ)
全身に真夏の汗を光らせる原生林のような少年
(有田里絵)
労働の汗がしみ込むワイシャツは洗濯の吾が最後に触れる
(ドール)
汗なんてかかず喪服で挨拶をただ繰り返し終わっていた夏
(青野ことり)
ひかがみをひとすぢつたふ汗 夏の気配を籠めてむせ返る森
(仁村瑞紀)
汗のほか嘘や噂のしみこんだシャツを洗おう 音立てて じゃぶ
(武山千鶴 )
手のひらの冷たい汗を感じつつ申し開きの下書きをする
(中瀬真典)
石走る垂水のごとく頭(づ)の上に汗かく我はスポーツ嫌ひ
(久哲 )
本日の雨は確かにいくぶんかあなたの汗のようで戸惑う
(佐藤りえ)
汗知らず構えた母の表情が思い出せない此岸の夜明け
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