お題べつ好きな歌(034:背中)
(岩井聡)
背中まであと何分と囁けば夜は二つの心ごと蜜
(村本希理子)
ガス管をくはへて死にし物書きの背中の死斑明るかりけむ
(浜田道子)
湯上りの夫の背中の痩せたりと不意に思ひて涙したたる
( こはく )
背中から眺めてみてもうつくしいたたずまいで立つ歌であるなら
(吉田貴美子)
いつか背中にピンを刺されて並ぶかも「サル目・ヒト科・ホモ・サピエンス」
(史之春風)
背中にはむかし翼があったのぞ さよう名残りが肩甲骨じゃ
(あきひろ)
三面に親子の惨事見るにつれ 背中合わせの家族を思う
(和良珠子)
わたしたち完膚なきまで親友で決してお互い背中を見せない
(おやなぎしま)
この背中(せな)をそっと支える神さまのみ手のぬくもりまた秋がきた
(水月 秋杜)
樹冠より高きところに横たはるひとつの背中紐育にゐて
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