お題べつ好きな歌(031:盗)
(やそおとめ )
唇形花(しんけいくわ)の白きくちづけ盗むため十二単にまた逢ひにゆく
(望月暢孝)
幾つかは盗んでほしいものあればドアを開いて今日も待ちおり
(今岡悦子)
茄子苗を三本のこして潜りたる夜盗虫にも理があるらしく
(KADESH)
年度末夢にまで見る帳尻は合わず盗汗でびっしょりとなり
(近藤かすみ)
いまとなれば盗まれしものか君のため与へしものかわからぬ時間
(藤苑子)
楽しみは盗りしモチーフ歌の中丹念に編み込んでいるとき
(青井なつき)
そう、それを閉じてしまえば盗み見ることもできない雨夜の月だ
(美穂)
盗まれて困るものなど何も無い。そう信じつつ防備する今日
(堀田季何)
盗人の放ちしドアに秋風が吹きあたる、ああ、今年も平和
(立花るつ)
蛍光灯チカチカとして疼き出す盗み返した後の傷口
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