お題べつ好きな歌(028:母)
(行方祐美)
母とならぬ路選びたり雪の日のスーツケースはひらひら笑う
(花詠み人)
嫌だった 母の笑いの 「がははっはっ」 年経ていつか 同じになった
(宮野友和)
幾年も会はぬ父母よ我二十八のこの一年も無事に過ぎたるよ
(エクセレント安田)
故郷の 母は老いぼれ 我が未だ 所帯持たずに 親不孝なり
(M.東矢)
食卓を物置とする母が居りさうしていつか母を諦む
(野良ゆうき)
今日からは俺がおまえの分母だぜ「1」でまるごと肯定するぜ
(佐藤紀子)
「まるでらつこの貝叩きね」と仰臥して動けぬ母が歌を書きゐき
(雪之進)
痴呆症は認知症だってお母さん、ひとまわりしておうちにかえろう
(ももか)
かつて母体だった細胞に母性が居残っているらしい疲れ
(村上きわみ)
母さまを庭に植えます泣きながら咲いておりますとてもさみしい
« お題べつ好きな歌(027:液体) | トップページ | お題べつ好きな歌(029:ならずもの) »
「題詠マラソン好きな歌」カテゴリの記事
- お題べつ好きな歌(100:マラソン)(2005.11.28)
- お題べつ好きな歌(2005.11.27)
- お題べつ好きな歌(2005.11.25)
- お題べつ好きな歌(2005.11.21)
- お題べつ好きな歌(2005.11.20)
コメント