071:痩(原田 町)

水痩せし夏川わたる片恋の笠郎女しばし想いて

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070:CD(原田 町)

竹針のレコードを聴く蓮華亭CD無き世をひととき廻る

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069:隅(原田 町)

オルツィの『隅の老人』ひさびさに手に取り読めば活字小さき

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068:秋刀魚(原田 町)

頭なく腸(はらわた)も無き冷凍の秋刀魚焼いてる水無月祓い

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067:フルート(原田 町)

フルートの音色がさそう失いて久しきもののひとつビー玉

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066:角(原田 町)

政争も小ぶりになりて往年の三角大福その面構え

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064:選挙(原田 町)

選挙権いちども行使せぬなどとまこと愚かな息子をもてり

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064:宮(原田 町)

お宮参り桃の節句に七五三ジジババ財布とめどがたしも

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063:ゆらり(原田 町)

十億の飢餓人口があるというゆらりゆらりと寿司皿まわり

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062:坂(原田 町)

今年また定家葛の咲く坂を訪ね来たれりきみ在らなくに

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061:ピンク(原田 町)

ピンク色の松葉牡丹を咲かせ来て今年はなぜか紅白も咲く

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060:引退(原田 町)

引退と胸張るほどの実績もなくてずるずる廃業となる

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059:済(原田 町)

済口の証文かわし決着の江戸にはあらで長びく示談

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058:魔法(原田 町)

うつし世に魔法あらばと祈りつつ河野裕子の闘病歌よむ

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057:縁(原田 町)

異なものの縁にむすばれ四十年さてこれからと郭公の鳴く

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056:アドレス(原田 町)

ふたたびは送らぬメールアドレスを消しがたくいる五月闇かな

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055:式(原田 町)

空たかく朴の花咲き金婚式めぐりきたるや塚本邦雄

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054:首(原田 町)

熱々のタオルをあてて首筋の強ばりほぐす解読できて

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053:妊娠(原田 町)

卒業より妊娠のほうが先だったあなたも今は四児の母に

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052:縄(原田 町)

石蹴りや縄跳びしてた原っぱや焼け跡などがあった東京

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